AIと仲良くなる文章⑤ 会話的・カジュアルな文体 〜AI時代の文章術〜

こんにちは、藤村正宏です。

この連載 「AIと仲良くなる文章」〜AI時代の文章術〜 では、AIに拾われやすく、検索や推薦に届きやすい「AIO対応」の文章術を5回シリーズで紹介してきました。
ここまでに取り上げたのは、
① Q&A形式で書く
② 体験談・ストーリーを盛り込む
③ 比較・ランキング・リスト化
④ 地域名・業界キーワードを自然に入れる
でした。

そして今回がラスト。テーマは 「会話的・カジュアルな文体」 です。

会話的・カジュアルな文体の実例

まずは、どんな文章が「会話的」なのか具体例を見てみましょう。

例1｜観光業

Q：阿寒湖の水はどんな特徴がありますか？
A：知ってました？阿寒湖の水って、100年もかけて森や火山に濾過されてるんですよ。透明感があって、飲むと驚くほど柔らかいんです。

例2｜飲食店

Q：釧路の居酒屋でおすすめは？
A：今日のおすすめ、聞きたいですか？炉端焼きなんですけど、炭の香りが広がって最高なんです。ついお酒も進んじゃいますよ。

例3｜美容院

Q：前髪で印象って変わりますか？
A：ちょっとした前髪の流し方で印象がガラッと変わるんです。知ってました？小顔に見える効果もあるんですよ。

こうした「語りかけるような文体」は、読者の心を引き込むだけでなく、AIにとっても「人に向けて書かれた自然な文章」として認識されやすいのです。

AIは文章を処理するとき、「これは誰に向けて書かれた情報か？」を判断します。
そのとき、無機質な説明よりも「人に話しかけている」文章を好みます。

たとえば、
「阿寒湖は北海道東部に位置し、観光資源として重要である」と書くよりも、
「阿寒湖って知ってます？北海道の東にある湖で、四季ごとに全く違う表情を見せるんです」と書いた方が、AIは「会話的で自然」と理解しやすい。

つまり、会話的な文体は AIに拾われやすい＋読者に届きやすい という二重の効果を持っているんです。

説明調の文章は、どうしても堅くなりがちで、途中で読み飛ばされることもあります。
一方、会話的な文体は「友達に話しかけられているような感覚」をつくり出します。

「ちょっと聞いてください」
「これ、意外なんですけど」
「あなたならどうしますか？」

こうしたフレーズが入るだけで、読み手は「自分に語りかけられている」と感じ、集中して最後まで読んでしまう。
これは人間の特性であり、だからこそAIも「エンゲージメントを生みやすい文章」として評価するのです。

会話的な文体は、あらゆる業種の発信にすぐ取り入れられます。

こうした言葉を織り交ぜることで、商品やサービスの魅力が自然に伝わり、AIにも人にも届きやすくなるのです。

「カジュアルに書くと軽く見えない？」と不安に思う人もいます。
でも実際には、カジュアルさは「人間らしさ」として信頼につながります。

AIの時代だからこそ、人間らしい温度感を持つ文章が評価される。
ただし注意点は、砕けすぎて乱暴にならないこと。
あくまで「友達にやさしく説明する」くらいのトーンがベストです。

会話的・カジュアルな文体は、AIO対応＝LLMO・GEOに強い発信をつくるための最後の重要ポイントです。

これからの時代、文章は「AIに拾われるか、人に届くか」ではなく、その両方を満たすことが大切です。
会話的でカジュアルな文体は、その両方を叶えてくれる最強の方法なのです。

北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな！体験を売れ！」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング（通称エクスマ）の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」