売るんじゃない 未来をいっしょにつくるんだ ──共創の営業が生む“ほんとうの価値”

共創の営業

営業って、なにかを「売りに行く仕事」だと思われがちです。
もちろん、それも間違ってはいない。

でも、これからの時代、ほんとうに信頼される営業っていうのは──
「売る人」じゃなくて、「つくる人」なんです。

「買ってください」じゃなくて、
「一緒にこの未来、つくりませんか?」って言える人。

商品の説明だけで終わらない

たとえば、あなたが自社のサービスや商品を提案しているとき。
「ウチの強みはここで、導入するとこういうメリットがあります」と伝えてるかもしれない。

でも、それって**「できあがったパズル」を渡している**ようなものなんですよね。

でも本当は、
「このピース、御社の中でどこにハマると思いますか?」
って、相手と一緒に考えていく方が、ずっと楽しいし、結果も出やすい。

「共創営業」って、こういうこと。

共創って、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけど、
要は「相手と一緒に、結果までデザインする」ってこと。

たとえば──
ある製造業の会社に提案していた販促支援ツール。
最初は「ウチの商品をこう使えば、展示会で注目されますよ」と説明してた。
でも、それだけじゃ社内で通らない。

だから、相手の営業部・マーケ部の人たちと一緒に、
「展示会で注目されるブースデザインとは?」「競合と何が違えばお客さんが振り向くかな?」などなどを議論して、
“その会社だけの使い方”をつくっていったんです。

そうしたら、その商品が“その会社の戦略の一部”になった。
結果的に、ツールが導入されただけじゃなくて、展示会の成果も前年比の3倍に伸びた。

「一緒に考えること」が信頼になる

営業という仕事は、目の前の“商品”を売るだけじゃない。
相手の目標に、自分の頭でコミットすることが、いちばんの価値になる。

「一緒に考えてくれた」
「自分たちの会社のことを、ちゃんと見てくれてた」
こう思ってもらえたとき、その人は“モノ”じゃなくて、“あなた”を選んでくれるようになる。

「提案」はゴールじゃない スタートにしよう

共創型の営業では、提案は“完成品”じゃなくて“仮のたたき台”。
「どうでしょう?」ではなく「ここから一緒に組み立てましょう」が基本姿勢。

顧客と議論しながら磨いていくことで、
その提案は“その会社だけの未来図”になっていきます。

そして、その未来図が具体的に「売上」や「利益」につながるストーリーを描けたとき、
会社はお金を出してくれる。

「あなたと一緒に考えたい」と言えるか?

営業って、突き詰めると“人の仕事”なんです。
商品より、資料より、あなたの姿勢が信頼になる。

「この商品、御社に合うと思います」よりも、
「どうすれば御社の強みがもっと活きるか、一緒に考えてもいいですか?」と言える営業へ。

“売る営業”から、“つくる営業”へ。
その先にあるのは、商品を超えた「共創の関係性」です。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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