これからの時代は、自分の強みや専門性を、世の中のために役立たせることが成功の考え方です。
その強みをや価値を知っている企業と知らない企業がある。知らなければ売れませんよね。自分の独自の価値の発見のしかたを解説しています。
差別化するな! 独自化を目指そう!
USPという言葉を知っていますか?
これは「あなただけの独自の価値」というマーケティングの用語です。
「ユニーク・セリング・プロポジション」
自分の会社や自分の製品が持つ独特の価値。
お客さまに選んでもらえるユニークな他社とのちがいが主張できる強みのこと。
そういうことです。
マーケティングでも、ブランドを構築していくときにも、USPってとっても大切です。
ボクは「差別化」を目指すな、っていうことをよく言っています。
これからの時代は、差別化っていう考え方だと、成功しないからです。
「差別化」ということは誰か競合がいるということ。
大切なのは、その会社が持っている独自の価値を消費者に知っていただくこと。
他社やライバル会社を意識することももちろん大切ですが、そこに集中すると、常に他社との競争に走ってしまい、お客さまが見えなくなる。
その結果、不毛な価格競争に陥り、選ばれる要因が、価格だけになってしまう。
そうなったら大変です。
利益も出ないし、働いている人のモチベーションも下がってしまいます。
そして、本来のビジネスの目的を見失ってしまうことも少なくない。
だから「差別化」という考え方ではなく、「独自化」。
あなた独自の価値を伝えましょうということです。
Apple社の創設者で、革命的な製品を世に送り出してきたカリスマ、スティーブ・ジョブズが言った言葉があります。
「美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?
そう思った時点で君の負けだ。
ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。」
名言です。そして、ビジネスの真理です。
独自の価値を見つけることが大切です。
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お客さまはたくさん似たような商品ががあって
どの商品を買ってもいい
あるいはどれも買わない
という選択肢がありながら
どうしてあなたの商品を買わなければならないのか?
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この答えがUSPです。
これがしっかりとお客さまに伝わらなかったら、売れないし、お客さまとの関係性も作りにくいわけです。
「商品」という部分を、会社や店に置き換えて考えてみる。
意外と自分の価値を知らないことが多い。
自分の価値が明確になっていないから、価値が伝わらない。
価値が伝わらないから、当然売れない。
そうですよね。
みなさんがどんなにいい店をやっていても、どんなに素晴らしい商品やサービスを売っていても、その価値を伝えなければ、お客さまにとって、みなさんの商品、サービス、店は存在していないのと同じなんです。
存在しないんですから、売れるわけありません。
だから、このUSPを明確にすることは大事です。
あなたの強み、長所、秀でたところです。
お客さまはお金を支払うだけの価値があると思うから、消費するわけです。
みなさんもそうですよね。
日々消費者として生活していると、そう思う場面が多い。
ボクらは買い物をするときに、選択をしているわけです。
だから、自分が買い物をしたときに、「自分はどうしてこの店でこの商品を買ったのか?」と常に考えてみることが大事です。
「なんでここを選んだんだろう?」
「近いからかな?」とか、「たまたまかな?」とか。
あるいは、新聞や雑誌の広告やテレビCMを見て気になったものがあったら、「なんでこれが気になったんだろう?」と常に考えてみることです。
そうすると、そこにはヒントが山盛りあります。
独自化するために大切な3つのポイント
USPを見つけるためには以下の3つ方向性で考えてみましょう。
1:商品・サービスのUSP
2:関係性のUSP
3:楽しむことでUSP創出
1:商品やサービスの独自の価値を深く考えてみる。
商品の要素を抽出してみる。
専門的な使い方ができないかを考えてみる。
商品のターゲットをせまくしてみる。
他の使い方ができないか考えてみる。
などなど、あなたの商品やサービスを深く考えて、独自の価値を付加できないかを考えてみることです。
たとえば、使えなくなったヨーロッパの鍵を売っている店があります。
鍵としての機能はまったくない。
ただの形だけ。
それを独自の価値をつけて売ろうと思ったら、たとえばおしゃれなアクセサリーとか、ちがう意味合いをつけて売らなければなりません。
この使えない鍵を幾らで売っているかというと1本5000円。
かなり高価格ですが、結構売れています。
この鍵にPOPがついています。
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Vintage Key
古い鍵・・・・この鍵で世界の何処かの扉が開くかもしれません。
キーホルダー・ストラップなど様々なご使用方法をお楽しみ下さい。
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物語性がありますよね。
商品そのものの意味を変えて、価値を創出した例です。
2:関係性というのは、顧客との関係性や社会との関係性で独自化すること。
さまざまなところで言っていますが、これからのビジネスは「関係性」が重要です。
人は同じモノを買うのなら、関係性の深い店で買います。
あなたの店にも「おなじみさん」や「ファン」みたいなお客さまがいるはずです。
そういうお客さまをたくさん増やすことです。
そういうお客さまに、どうして何度も買ってくれるのかを聞いてみてください。
それがあなたの独自の価値になる場合が多い。
独自の価値を活かしながら、あなたの店を中心に顧客とのコミュニティを作り出していくこと。
これは他の店が真似できない価値になります。
3:楽しむ
孔子の『論語』にこういうことが書いてあります。
子曰く
これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。
優れた知識を持っている人も、どんな熟練した能力を持っている人も、そのことが大好きだという人には敵わない。
そのことが大好きだという人も、それを楽しんでいる人には敵わない。
そういうコトです。
美容室のオーナーでサッカーがとっても好きな人がいます。
サッカーのチームとサポーターの関係性を、美容室に置き換えて発信しています。
本当に仕事を楽しんでいるのが伝わってきます。
それが彼の店の独自化になって、圧倒的に繁盛している。
【サッカー馬鹿コンサルタント勝村大輔のブログ】
大河ドラマが大好きな税理士の先生がいます。
彼は顧問先のクライアントに、歴史や大河ドラマの例を使って、事業継承やマーケティング、税務のことを解説しています。
すごくわかりやすく面白い。
そして何よりも彼自身が楽しんでいる。
それが彼の事務所の独自の価値になっている。
【大河ドラマ税理士山本やすぞうのブログ】
楽しんでできることは、どこまでも続けられます。
勉強も、苦痛じゃないから、さらに詳しく、上手になっていきます。
だから他が真似できない、そういうレベルになっていくのです。
あなたが心の底から楽しめることってなにかを考え、それが価値にならないかを考えてみましょう。
以上3つのポイントでUSPを見つけ、それをお客さまに伝えましょう。
差別化ではなく、独自化。
あなたの独自の価値は必ずあります。

藤村 正宏

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