消費者は種類が多すぎて選べない。だからあきらめる。~キュレーションの時代

多い種類より厳選した種類のほうが売れた

ボクは以前、実験をしてみたことがあります。
セミナーでボクの書籍を売る実験です。

例えばAというセミナーで10種類のボクの本を売る。
そうすると、みんな「どれがいいですか?」って聞いてくるんです。
「これがいいですよ」って言うと、みんなそれを買う。

次にBというセミナーでは本の種類を3種類にしぼって売る。
「今日のセミナーでお話ししたことはこの3冊にすべて書いてあります」
そうすると、同じくらいの参加人数、同じようなマーケティングセミナーで、結果は・・・

Bのほうがトータル販売数が多いのです。
何度も実験しましたが、種類が少ない方が売上がいいのです。
まとめて3冊買っていく人が、圧倒的に多い。
この実験から導きだされる結果。

「選択肢が多いというのは、あまり価値ではない」

そういうことです。

あなたの商品やサービス、ちょっと見直してみてください。

種類が多すぎると選ばないこともある

種類が多すぎると選ばないこともある

人間は選択肢が多すぎると、選べなくなって、あきらめてしまう。

今は、情報が洪水のように溢れている時代です。
そして指数関数的に、その情報量は増え続けている。
天文学的な量の情報が生み出されている世の中です。
ボクらはそれをすべては把握できません。
ボクらの知らないところ、あなたの知らないところで、膨大な情報が生み出されている。

さまざまな意味で、これは革命です。

情報量が増え続けるというのはどういうことかというと……
選ばれるのが大変な時代だ、ということです。
消費者にとって、選択可能情報が飛躍的に増えるということ。
でも、ここに問題が生じてきます。

選択できる権利があるというのは、なんとなくいいような気がしますよね。
「デザインを選べる商品です」っていうのは、いいような感じがする。
でも人間は、選択肢が余りにも多過ぎると、「選ばない」という行為に走る。
選びたくなくなってくる。
どういうことかというと……
例えば20種類のボディカラーがある車で、内装のカラーが40種類ある。これで何百通りの組み合わせができます。
という車を売っても、ほとんどのお客さんはあまりにも多すぎて、組み合わせができません。

選択肢が多いということは実は価値ではないのかもしれない。
選択肢がたくさんあったとしても、ディーラーが「これが一番いいですよ」といったものに決めてしまいがちです。
選択肢が多ければ多いほど人は選びたくなくなるのです。
だから、選択肢が多ければいいというものでもない。

これはしあわせかも

これはしあわせかも

なおかつ、今はこんな状況ですから、情報が多過ぎてお客さんも選ぶのが大変です。
だから、情報をちゃんと整理して提供してあげなければいけないのです。

まさに「キュレーション」してあげるということです。

情報を編集して届けるキュレーションが大事

現代社会は、情報量が膨大になっている。
消費者は処理しきれないほどの情報の海に、溺れそうになっている。
だから情報を編集して届けるという、キュレーションという概念が大事だと思う。

そして、キュレーションするには、情報収集力と収集した情報を編集する力がすごく大切だなということ。

特に編集力はとっても重要です。
それには、ビジネス以外のデータベースの質と量が大切になってきます。

いかにビジネス以外の情報に興味があるか?
ボクの場合は、心理学、文化人類学、人文科学、それから、映画・演劇・文学、政治とか自然科学、そういうのが結構好きなので、こういうものとどういうふうに組み合わせて編集していくか、ということを考える。

進化論を使ってマーケティングを語れないか
理論物理学を使って現代ビジネスを語れないか
ニーチェを使ってマーケティングを語れないか
演劇とビジネスを融合できないかな
映画の台詞でビジネスを語れないか

そういうことをいつも考えています。

そうすると、映画を見ていても、「ああ、この言葉って、マーケティング的に考えるとこうだよな」というふうに思いついたりするわけです。
もちろん映画自体は純粋に楽しみます。
そのなかでも、そういうふうに気がついていくということです。
多くの情報を編集するうえでは、ビジネス以外のデータベースを豊かにしておくことが大事です。

久しぶりに家に帰ってきて、また出張に出る朝、思っていたのは概ねそんなことだ。

The following two tabs change content below.
藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

フォローする