中国の観光客の消費は、けた違い。
今度の日曜日、2月22日に沖縄でエクスマ・セミナーをやります。
もう70名以上の参加希望があって、本当にうれしいです。
ありがとうございます。
そのセミナー会場である「ホテルサンパレス球陽館」の社長、金城さんから連絡があって、
「この日は、中国の旧正月とあたっていて、凄く混んでいます。本土からいらっしゃる方々は、予約しずらいと思います。」
と連絡がありました。
あ、そうか、中国の「春節」なんですね。
中国では昨日(2月18日)から7連休だそうです。
たくさんの観光客の方が、日本にやってきています。
昨日のニュースでは銀座が中国の観光客でいっぱいとか、百貨店では特別に中国人向けの商品を用意しているとか、ホント日本人に比べると、けた違いの消費なんですね。
日本経済のためには、いいことですよね。
昔の日本人を見ているようで、なんだかうれしくなります。
日本は物質的にはかなり豊かになりました。
もうほとんど必要なものは揃っています。
だから中国の人に比べたら、消費欲求は少ないかもしれません。
でもね、人間は必要のないものだって買う。
そういう生き物です。
人間には消費欲求というのがあるんです。
これはもう、本能的と言ってもいいほどの欲求です。
ボクも突然、お金を使いたくなることがあります。
先日も突然、書店に行って本を20冊くらいまとめ買いしました。
パルコやマルイに行って、服を何十万円分も買ったこともあります。
多くの人には、本能的な「消費欲求」みたいなものがあるんですよね。
悪いことじゃないと思います。
経済っていうのは回っていますから。
人間には3つの消費欲求がある
消費っていうものについて考えてみました。
人間の消費欲求には段階に応じて3つあると思うんですよ。
1:欠乏欲求
これはわかりやすい欲求です。
欠乏した欲求を満たすのはカンタンです。
おなかがすいたから、食べモノ。
寒いから、服。
クルマが動かないから、ガソリン。
風邪をひいたから、風邪薬。
雨風をしのぐために、家。
「ニーズ」を満たすことです。
カンタンだから、たくさんの店やたくさんの大手企業が参入しています。
商品をモノとしてい売っているから、価格競争になりやすい。
そういう特性をもっています。
だから売るためには、価値を高めて売る方法を考えることが大事です。
特典をつける。
期間限定にする。
販売数を限定にする。
他の商品と組み合わせて価値を高める。
売る場所を考える。(山頂の自動販売機のペットボトルの水は400円だったりする)
パッケージのデザインを考える、などなど、価値を高める工夫をしましょう。
2:価値欲求
これは欠乏欲求にさらに付加価値を求める欲求です。
同じ服を買うなら、おしゃれなもの。
どうせ食べるのなら、美味しいもの。
時計を買うなら、ロレックス。
住むんだったら、広くて居心地のいい家。
移動するのなら新幹線のグリーン車。
そういう欲求です。
より質のいいもの。
よりこだわったもの。
ブランド品が売れるのは、こういう欲求。
ある程度、安売りしなくても売れる欲求です。
価値をさらに高めて、物語やエピソード、お客さまの声などを使うと、その価値が伝わりやすくなります。
価格競争で売ることはしないことです。
マーケーッターの中には、こういう欲求を「ウォンツ」と呼ぶ人もいます。
3:喚起された欲求
この欲求はニーズでもなく、ウォンツでもない。
なんて言えばいいのか、ちょっとわからないんですけど、あまりこの欲求のことを言っている人がいないから。
でもね、現代の消費者を相手にするためには、この欲求を刺激することが大切なんじゃないかなと思うんですよ。
だって、現代の消費者は、自分が何が欲しいかを知らない場合が多いのです。
自分の気づいていない欲求そのものに気づかせてあげて、購買してもらうということ。
必要ない、欲しいとも思わないモノを、欲しいと思ってもらって、買ってもらう。
「あ、こういうのが欲しかったの~」って言ってもらえる欲求です。
たとえばボクがいつも服を買っている、新宿マルイメンズ館のニコルで、その店の店長斎藤君が
「藤村さん、これちょっといいでしょ?」
と言ってもってくる、自分じゃ、絶対に選ばない色のジャケットや、かっこいい靴が意外に似合ってしまったとき。
もう値段は二の次の買ってしまうのは、この3番目の欲求に気づかされた結果なわけです。
で、この欲求を喚起するため、何が必要かというと
【情報】と【関係性】なんですね。
「あなたは、これ欲しいでしょ?」それを伝える。
これが【情報】です。
そして、その情報を信頼できるものにする。
【関係性】
それが大事なんです。
ある意味お客さまを、誘惑するのです。
お客さまの欲求に火をつける。
魅惑する消費です。
消費欲求に合ったシナリオが大切
こういうふうに、人間には種類の消費欲求があることを理解して、分けて考えてみる。
自分の商品はどれに当たるのか。
それぞれ売り方がちがいますから。
あなたのビジネスに照らし合わせて見てください。
きっと、気づくことがたくさんあると思います。
昨日、銀座の三越でものすごい勢いてモノを買っているニュース映像を見ていて考えていたのは、概ねそんなことです。

藤村 正宏

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