「好きだ」っていうことは、そこの「愛」があるということ‐自分の売っているもがどれだけ好きか?

三菱自動車が「ランサー・エボリューション」を生産中止したことの違和感

今日は仙台のエクスマ塾67期です。
仙台の塾は2講目ですけど、参加者は真面目な人が多い。
素直な感じで、みんな純粋?って感じです。
ま、ボクがそう思っているだけかもしれないけどね。

三菱自動車が「ランエボ」の生産を中止して、社運を賭けてハイブリッドみたいなSUVを発売する。
そんなニュースをみていて、なんだかちょっと違和感を感じていました。

ランエボ001

三菱の「ランサー・エボリューション」っていうスポーツタイプのクルマを作らなることは、社運を賭けた割にはあまりいい選択じゃなかったんじゃないの。
そういうことです。

ある意味、個性的でマニアには人気の車種だった。
そのクルマがあることで、「さすが三菱!」というような価値を高めていたんじゃないかな。
そう思うんです。
でも利益を第一優先目的にした途端、楽しさやワクワク感を犠牲にしてしまう。
一見ムダなような商品、そんなに売れない商品、それでも、扱っているだけでその会社の価値を高める商品って存在する。
コンセプトやブランド価値を高めるのです。

開発した人の「熱」や「愛」が感じられる。

でも、それを廃止して、社運を賭けあまり個性のないSUVを発売する。
ま、社運を賭けているのだから、それなりにお金をかけたプロモーションやSNS活用はしているだろうから、それなりに売れると思うけど、長い目で見たときに「ランエボ」の廃止が痛手にならなければいいんだけどね。

そば屋さんの店主と話していて思った

以前、長野県でのセミナーで、そば屋さん来てくれていました。
以前は大手メーカーに勤めていた理系の方です。
話していて、面白いお話しをしてくれました。

「最近のお客さまは、そばをすすらないのです」

そういうこと。

そばはすすって食べます。
それがある意味、正しい食べ方である。
思いっきり音をたててすする。
それが美味しい。
そのそばをすする音を、厨房から聞いていると、
「あ、美味しく食べてもらっているんだな」
そう思ってしあわせな気持ちになるそうです。

たしかに食事の時に、音をたてるのは、マナー違反としつけられます。
でも「そば」は例外です。
すすって食べる。

古典落語の「時そば」を聞いていると、美味しそうにすするのが上手な落語家さんは、リアルの美味しそうです。
そういう食文化なんです。
(あなたも、そばを食べる時には、すすって食べようね。)

このおそば屋さんの話を聞いていると、そばが好きなんだなっていうのが伝わってきます。
そばが好きな店主がやっている店のそばは、美味しいに決まっていますよね。

だって、そこに「愛」があるから。

マーケティングや営業力は商品があってはじめて成立する

前述の三菱自動車の経営陣は、実は「自動車好き」じゃないんじゃないの?
単純にそう思ったりするのです。
三菱自動車にも深い考えがあってのことだからちがうかもしれないけど、単純にニュースに接して思った。

自動車好きな経営陣だと思いますよ、もちろん。
自動車を作って売っているのですから。
でも、そう思うってことは、ボク以外の人もけっこう思っているんだということです。

マーケティングが優れているとか、営業力があるとか、そういう理由で社長や経営陣になっていると足もとをすくわれます。
自分の商品に興味がなかったら、自分の商品が好きでも嫌いでもなかったら。
そんなの、売れるわけありません。
愛がないから。
個性のない、どこにでもある商品になってしまいます。

大きな会社だから、有名な会社だから、安定している会社だから。
そういう理由で入社してきた社員が多ければ多いほど、その会社は苦しくなる。
そんな時代です。

そばが大好き。
自動車が大好き。
オーディオが大好き。

自分の売っているものにどれだけ「愛」があるか?

そういうことが、これからの時代、大切になってくる。
ある意味、それが真理です。

三菱自動車の社運を賭けた新しいクルマが、ヒットすることを祈っています。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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