新橋の居酒屋で、母校の釧路湖陵高校を思い出した。「高校よせがきノート」

同窓会のような居酒屋

今年の初夏の頃、パナソニックミュージアムの荒川さんに連れて行ってもらった、新橋の居酒屋で、ボクの母校『北海道釧路湖陵高等学校』のことを強烈に思い出した。

東京の新橋にある九州料理の居酒屋『酒蔵有薫』では、全国の高校の「寄せ書きノート」が置いてあるんです。
その数、なんと2800校以上。
逸脱していると言ってもいいくらいの、圧倒的な数です。
この店に訪れた人たちが、自分の出身校のノートを見たり、そのノートに書いたりして、楽しんでいます。

常識から逸脱するほどの数のノートが並んでいる

常識から逸脱するほどの数のノートが並んでいる

この居酒屋さん、店内に入ると、大きな本棚があって、そこにずら〜っと高校名が書いたノートが並んでいます。
普通にお酒を飲んで料理を食べていて、少したったころ、店の人がやってきて、このノートのことをお客さまに伝えます。
そして、メモ紙と文具をもってきてくれます。
そこに自分の出身高校を書くと、そのノートをもってきてくれる。
もし自分の高校がなかったら、その場で新しいノートを作ってくれます。

ボクの出身校もあるかな?
中居さんがもってきてくれた紙に高校の名前を書いて渡した数分後。
ありました〜〜〜〜!

『北海道釧路湖陵高等学校』

たくさんの人が書いている。
後輩のほうが多い感じです。

ボクの母校のノートもあった

ボクの母校のノートもあった

19⚫︎⚫︎年、第何期卒業生の⚫︎⚫︎です。
今は東京でこんな仕事をしています。云々・・・
というコメントとともに、名刺が貼ってあります。
ボクは1977年卒業の(たぶん)29期生(たぶん)だったと思う。

ボクも名刺を貼って(16ページ名刺だから貼るのにちょっと苦労しましたが)カンタンなコメントを書きました。
なんだかこの店で、同窓生、同じ出身地で同じ高校を卒業した人、ある場所や、あるコミュニティを共有体験している人。
会ったことはないけれど、そんな体験や思い出が近い人と、時間と空間を超えてコミュニケーションしているような感覚でした。
ボクはこのノートを最初のページから最後まで、読みました。

ボクも16ページの名刺とメッセージを残してきました

ボクも16ページの名刺とメッセージを残してきました

そして、いろいろなことを思い出した。
アイスホッケー部にいたこと。
毎朝、通学の時に使うバスで会う、同じ学校の先輩の女性に憧れていたこと。
バイクで事故を起こしたこと。
演劇学を勉強しようと決心したこと。
そして、もちろん、ジャズ喫茶『ジスイズ』のこと。

完全にエクスマ的な居酒屋ですよね。
自分の高校のノートがあって、年齢のちがう同窓生が、このノートでコミュニケーションしている。
面白いです。

どんなに美味しい料理があっても、それだけでは繁盛しない時代

何度も言いますが「モノ」を売っていたら、売れない時代。
ショップもホテルも飲食店も、商品やサービス、食べものを売っているわけではないってこと。
特に現代は、モノやサービスが有り余っているし、そもそも今世の中に出ているものは、みんな素晴らしいものばかりです。

この居酒屋さんの料理は、とっても美味しかった。
でもね美味しい居酒屋さんは、どこにでもあります。
どんなに素晴らしい、新料理を考え出しても、それだけでは繁盛する店になりません。

料理が美味しいのは、当たり前のことだから。

これからは、関係性の時代です。
このノートがあることで、店との関係性が構築されていく。
それも、お客さまにとっては、出身高校という「自分事」なんですから関係は深い。
初めて行ったとしても、当事者意識で参加している感じです。

コミュニケーションとノスタルジー。

どうせ居酒屋に行くのなら、こんな楽しい、個性的な居酒屋に行きたいですよね。
関係性という視点で見てみると、納得します。
あなたも、新橋に行った時には、ぜひ自分の高校のノートを探しに、この店に行ってみてください。

「高校寄せ書きノート」ココを見てみて

店内いたるところに並んだノートの本棚

店内いたるところに並んだノートの本棚

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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