
人を“ねらう”と、関係は壊れる|ターゲットという言葉から感じる冷たい「違和感」
「ターゲットは誰ですか?」マーケティングの現場では、最初に出る言葉だ。空気のように自然に。疑問すら持たずに。「20代の女性をターゲットに」「地方に住む高齢者を狙って」「ファミリー層を取りにいきましょう」言ってる本人たちは、きっと何も疑問を持たないのかもしれない。でもぼくは、この言葉に、ずっとある種の「違和感」を感じていた。その言葉には、どこか冷たく、恐ろしい、「戦い」のにおいがする。「ターゲット」。直訳すれば、「標的」。