経営に必要なのは、論理より“感性”なんだ ──よく見る、よく聴く、よく味わう経営

経営者の感性が差を生むんだ

「感性が差を生む時代」と言うと、ちょっときれいごとに聞こえるかもしれません。
でも、ぼくは本気でそう思っています。

いま、何をやっても、すぐに真似される。
モノもサービスも情報も、世界中から手に入る。
となると、最後に残る“違い”って、
結局「その人の感じ方」なんです。

感性は、生まれつきの才能じゃない

「自分にはセンスがないから」
そう思っている人、多いかもしれません。
でも、感性って“育てるもの”なんです。
何歳になっても、遅くない。
磨けるものなんです。

たとえば──

・店の前を通る人の足の速さを観察してみる
・天気によってお客さんの反応が変わるのを感じてみる
・POPの言葉を、ひと晩寝かせてから読み直してみる
・旅先のカフェで「この空気感はなぜ心地いいのか」を考えてみる
・アート作品を観て、自分の心がどこで動いたかを探してみる

こういう、小さな“感じる訓練”が、感性を磨いてくれる。

感性って、実は「反応の質」なんです。
見て、聴いて、味わって、心がどう動いたか。
その積み重ねが、経営の“らしさ”になる。

アートや旅がヒントになる

ビジネス書だけ読んでいても、
新しいアイデアってなかなか出てこない。

でも、映画や音楽、絵画や舞台、そして旅。
そこには、たくさんの「感じるヒント」が詰まっています。

ある経営者さんは、毎月必ず展覧会に行くと言っていました。
「お客さんの気持ちがわからなくなったら、
 いったん自分の感性に水をやる」と。

それくらい、感性って“鈍る”ものでもあるし、
“養える”ものでもある。

感性は、差を生む最後の砦

売れる理由や、選ばれる理由。
もちろん必要です。
でも、それだけじゃ届かない場所がある。

「なんか、ここが好き」
「この人から買いたい」
「理由はないけど、安心する」

そう言ってもらえることが、
いま、いちばんの強みになる。

数字に疲れたら美術館に行こう

・感性はセンスではなく、習慣で育てるもの
・「よく見る・よく聴く・よく味わう」が感性の基本
・アートや旅は、ビジネスの教科書になる
・“感性”が、模倣できない「あなたらしさ」をつくる

数字に疲れた日には、
静かな美術館に足を運んでみてください。
風の音に耳をすませる散歩でもいい。

それは遠回りに見えるかもしれないけど、
感性の種は、そんな日常のすき間に落ちています。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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