
かっぱ寿司の事件で志賀直哉の名作小説「小僧の神様」を思い出した
『小僧の神様』
神田の秤屋の番頭が寿司の話をしているところから始まる。
その話を聞いていた丁稚奉公の小僧さん。
どうしてもその寿司を食べたい。
そして、交通費を浮かせたり、お小遣いを貯めたりして、寿司の屋台に行くのですが、その寿司をつまんだ時に値段を知って、手を引っ込めるくだりがあります。
小僧さんにとっては、まだまだ価格が高かった・・・。
ちょっと悲しくなるシーン。
それを見ていたお金持ちの男性が、後日その小僧さんに寿司を奢る話なんですが、粋なんですよ、このおじさんが。
そして、見ず知らずの男の人に寿司を奢られた小僧さん、その男性はきっと神様なんだと思う。
あらすじを書くと、他愛もない話に思えますが、そこは短編小説の名手、志賀直哉の手にかかると、読み応えのある小説になっています。
ぜひ一度読んでもらいたい作品です。