やってくる風を読んで、会社の方向性を考えよう

台風19号が近づいている東京です。
夕方から夜にかけて、雨や風が強まってくる予報です。
あなたも気をつけてくださいね。

今の時代、価格競争はしてはいけない

あなたの会社やあなた個人が好むと好まざるとにかかわらず、未来に足を踏み入れてしまっています。

スマートフォン。
ウェアラブルデバイス。
ソーシャルメディア。
ビッグデータ。
AI(人工知能)。
ロボット技術。
位置情報。
センサー。

たくさんの新しい未来の技術が押し寄せてきています。
そして、その“未来”に対応するためには、変化しなければならない。
それができない企業や人間は、役に立たなくなってしまうかもしれません。
会社だったらビジネスの世界から退場させられるってこと。

先日Facebookの朝の投稿で、900以上「いいね!」がついた投稿があります。

【価格競争はしてはいけない】
仁義なき安売り競争。
つづけていると、疲弊して会社も、そこで働いている人も、業界も不幸になる。
商品を変えずに値下げすると、一時的なシェアは増える。
でも、消費者がその価格に慣れてしまうと、もうもとの価格に戻せなくなる。
長い目で見たら、大きなマイナスになる。
価値を高めることを忘れて、安易な価格競争をしないこと。
目先の利益ばかり求める行為は、自分の首を絞めることになる。

これってそう思いませんか。
安易な価格競争や、安易な薄利多売。

以前あるところで、ラーメンの安売りの店を見つけました。
ラーメンが180円。
驚きの価格です。
そのとき瞬時に思った。

「1杯180円のラーメンを1日100食売っても、売上は1万8000円だな」

不毛です・・・つらい・・・。
まだそれで行列ができているのなら、いいですけど。
店内ガラガラ。
午後8時くらいなのに。
「どうして、安売りするのかな~・・・」
ボクは講演でも本でも言っていますが大切なことなので、何度でも言います。
「『安売り』は誰もしあわせにしてくれない」そういうこと。

ボクが行っている世田谷通りの理髪店があります。
「サンライズ」というお店です。
家の近所だし、顏を剃ってくれるし、気持ちいいし、よく知っている人だし、美容院に行かずにこのお店に行くことが多い。
1時間くらい丁寧にやってくれて、価格は4000円です。
とっても満足します。
予約制で、ご主人がひとりで営業している店です。

世田谷通りにある「サンライズ」

世田谷通りにある「サンライズ」

この店の近所に、今年になってから、安売りの理髪店が2軒できました。
ひとつは価格が1500円。
主にカットが主体。
もうひとつは、シャンプー、カット、顔剃り、すべてで1980円。

シャンプー、カット、顔剃りって、同じサービスを売っている。
提供するのには、同じくらいエネルギーがかかりますよね。
「サンライズ」は一日平均10名のお客さまがいます。
それと同じ売上を上げるためには、単純にお客さまの数を倍、20名にしなければならないってこと。
それって大変なことですよね。
都内の人通りが多い駅前とかだったら、成り立つかもしれませんけど、そうじゃなきゃなかなかむずかしい。
けっこう苦戦すると思う。
そんな状況になっても、ボクが利用している「サンライズ」は、お客さまが減っていない。
どうしてかというと、たくさんの「おなじみさん」がいるからです。

大企業だって、SNSでコミュニケーションするといいことがある

これからの時代、安売りして新規客を獲得するシナリオは、やらないほうがいい。

ハンバーガー大手のマクドナルドが以前からやっている、価格訴求のシナリオ。
ああいうことを続けていると、会社の存続にも関わってくる。
「100円マック」で大失敗して、利益が出なかった時、CEOの原田氏が言ったいた。
「ワンコイン戦略は収益より、新規顧客の獲得を重視した」
たしかに客数は10%ほど伸びた。
でもそれで新規客は「100円だから」来た客ですよ。
そういうお客さんは、正規の金額に戻したら、買わなくなる。
おまけに、新規顧客獲得のための宣伝販促費は売上の5%も使った。
マーケティングシナリオとしては、ある意味「最低」です。

マクドナルドも牛丼屋も居酒屋も、「薄利多売」というビジネスデザインはもうかなりしんどくなってきている。
利益が出ないということは、働いている人も豊かじゃない。
ということは、バイト希望者も少なくなってくる。
結局、24時間営業ができなくなったり、店舗が運営できなくなったり、滅亡の道を進んでしまう。

相変わらず、『安売り戦略』を変えられない。
こういう企業は「絶滅」するかもしれません。
でも、大企業っていうのは、なかなか「変化」できないんですよね。
あの「ダイエー」も「SONY」も同じです。
これからは小さいことが有利な時代になっていきます。
だって小さいほうが『変化しやすい』からです。
これからは中小企業の時代だと思う。
これからの大企業はたいへんです。
自分の客の顔が見えなくなって変化できず今までと同じやり方、今までと同じ考え方から抜け出せない。

でもね、ソーシャルメディアが普及して、大企業でも変化が出てきています。
今まで冷たいイメージで、そこに働いている人の顔も行動も見えなかったのが、ソーシャルメディア上でお客さまとコミュニケーションすることで、少しは親しみというものが出てきています。
人間味が出てきたってこと。

以前、外食大手の「ロイヤルホスト」が高価格路線に転換して、収益がよくなったというニュースを、ボクのツイッターでシェアしました。
「ロイヤルホスト、個人的に好きなのでよかった」というコメントを入れて。
そうしたら、15分くらいたって、ロイヤルホストの公式アカウントから
「ありがとうございます」って返信が来たのです。
思わずボクも「がんばってくださいね」って返信した。
すると、即座に「がんばります!」って。
ますます、ロイヤルホストが好きなり、来店頻度も増えた。

大企業だって「小さいこと」のマインドをもっていたら変化できるんです。
たとえ全国に1000店舗を展開しているチェーン店でも「もし1店舗だとしたら、どうする?」そういう考え方をすればいいんです。

あなたも「安売り」するようなビジネスのシナリオを書いてはいけません。
今の時代、それはとっても不利になると思ったほうがいい。

台風が近づいているニュースと空を見ながら、なんとなく考えていたのは、概ねそんなことだった。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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