「安いのを望んでいる、お客も悪い」|こういう思考にならないこと

安売りしか思い浮かばなないと淘汰される

先日、ブログで紹介した石川県加賀山代温泉の「宝生亭」。
お客さまとの関係性をつくりだしている。

 【恐るべき!反応率86%のダイレクトメール|加賀山代温泉宝生亭

創造性あふれるお手紙(DM)やブログとSNSの発信。
お客さまとの間に、お客さま以上の関係を作っている。

「つながり」です。

GWに家族と行った、山形米沢小野川温泉『登府屋旅館』。
ここもお客さまとの関係性を大切につくりだして、リピーターが多い旅館です。
安売りせずに、集客しています。

大都会じゃなく、地方の観光ホテルだって、安売りしなくても十分やっていけるのです。

『登府屋旅館』の露天風呂 いい湯です

『登府屋旅館』の露天風呂 いい湯です

以前、どこか地方の観光ホテルの女将から、ボクの本を読んで感想が届きました。

「先生の言っていることはわかるけど、東京だったら高く売れるかもしれないけど、田舎の観光地は、やっぱり安売りしなければ、お客からも選んでもらえないのです。安いのを望んでいる、お客も悪いと思う」

そういう意図のことが書かれていました。

こういう思考パターンだと、まったく前に進みません。
ずっと苦労して、安売りしていてくださいって言いたくなる。
さらに自分のコトなのに、お客さまが悪いって決めつける。
それは、あなたがそういう客を呼んでいるってこと。
自分が安売りしている原因を、客のせいにするなんて、商売やめたほうがいい。
そんな客しか集めていない、あなたのせいです。

やってみもしないのに、否定から入る。
この観光ホテルは遅かれ早かれ、退場していくでしょう。
かわいそうだけど、それはそれでしょうがないことなのかもしれない。
なかなか、やり方がわからないのかも。

スペックだけが価値だと思い込む

だいたい、温泉旅館や観光ホテルは古い体質が残っているところが多い。
プライドだけ高くて、自分の良さを台無しにしている。
リッツやディズニーのサービスが最高のサービスだと思い込んでいる。
営業は直接お客さまではなく、旅行会社にしかしていない。
施設の新しさや豪華さが、いいホテルの要素だと思っている。

そう思っていたら、残念です。
すべて「スペック」。

スペックだけが価値だと思ったら、価格競争するしかなくなるのです。
厳しい価格競争に参戦して、利益も薄く、疲弊していく。
そうならないために、安くしようという考え方は、今すぐ捨てたほうがいい。
価値をしっかりと伝えていたら、安売りしなくたって適正価格で買ってもらえるのです。
そもそもお客さまは、本当に安売りを望んでいるのでしょうか。

「安くしなければ売れない」
「お客さまは高いモノは買ってくれない」

そういう考え方は、実は、売っているほうの思い込みなんです。
売っているあなたが勝手にそう思い込んでいるだけ。
あなたがそう思っていたら、安売りから抜け出すことはできません。

お客さまは別に安いものが欲しいわけではありません。
それでも、激安の居酒屋、激安のスーパー、安売りで成功、安くしなければ売れない、高いものは売れない、などなど・・・
そういう情報や話しは飛び込んできます。

観光業も例外ではなく、老舗のホテルや旅館が、外資系の会社や日本の別業種の会社に買収され、極端な安売りをして集客しています。
その競争に巻き込まれて、疲弊しているところもたくさん出ている。
まさに観光業は危機的状況になっていると言ってもいいでしょう。
観光が基幹産業の地域、たとえば沖縄や北海道にとって、こういう流れは死活問題になります。

原因を他人のせいにするな!

商品やサービスが売れない理由を、他のせいにしていると、永遠に売れない。
自分以外の他人のせいや、環境のせいにするのはカンタンです。

「景気が悪いから」
「立地が悪いから」
「市場が成熟してしまったから」
「会社の上のほうが理解がないから」
「業界の慣例が古いから」

などなど・・・。

そういう会社や人は、いつまでたっても売れません。
だって、そう言っているうちは「新しい何か」を生み出すことができないから。

もっともっと、創造力を働かせることが大事です。
確かに、景気の低迷やモノ余りになったら、以前よりは機会は減っていくのは当然のことです。
さらに、我が国は人口が減少しつつある。

でも、そんなこと言って、他人のせいにしては何も変わりません。
そういう環境でも、繁盛している会社や新しいビジネスを生み出している会社はたくさんあるのです。
問題は低迷している経済環境とか市場の成熟などではない。

マーケティングの一番の問題は「創造力」の欠如です。
クリエイティビティが必要な時代です。

自分の価値に気づき発信しよう

ボクのお弟子さんのホテルや旅館は、ちがいます。
だって、エクスマを勉強しているから。

地方の観光ホテルでも、気づいているところは、設備を新しくしたわけでもなくリッツのようなサービスを取り入れたわけでもなく、自分の価値に気づいてそれをを発信し、お客さまに支持されていくわけです。
そして、一度来てもらったお客さまに二度目、三度目、・・・・
ずっと来てもらいつづけるようなことをやっている。
ゆるやかなコミュティをつく出している。

一見、外からはわからないことを、しっかりやっているんです。

既成概念にとらわれている他のところは、なかなか真似できません。
真似しようとしても、うまくいかないのがほとんど。
だって、カタチだけで、本質をわかっていないから。

今までと同じことをしていたら、あなたのビジネスは、なかなか前に進むことができない。
同じことの繰り返しです。

まったく既成概念にとらわれない発想をしましょう。
今までとちがう「しくみ」を考えることです。
知らず知らずのうちに、気づいたときには、なじみのお客さままで、ライバル会社に奪われている。
そういう事態になってもおかしくない時代なのですから。

自分の価値に気づく(スペック以外の個性)
それを発信する(ブログやSNSやニュースレター、お手紙)
交流する(発信だけでなくね)

これを繰り返すことです。

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藤村 正宏
北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」

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