業界の常識に縛られるな!|小売店でお客さまを見送るのは逆効果

出口までお客さまを見送らないほうがいい

先日、エクスマスタッフをやってくれている、ハッピー薬店の橋本くんがおもしろいことを言っていました。

マルイやパルコ、イオンなどのSCにテナントで入っている、洋服を売っているブティック。
買い物をして、お会計をしたあと、レジのところで商品を渡してくれないところが多くないですか。

「出口までお持ちします」

というセリフを言って、店の外まで見送ってくれる。
あれは実は、逆効果だということ。

マーケティングの塾で講義中の橋本くん ビーサンにコロナビール リゾートだね

マーケティングの塾で講義中の橋本くん
ビーサンにコロナビール リゾートだね

橋本くん曰く

まだ買うかどうか決めていないとき、店頭で商品を見ていたり、店内で商品を見ているときには、消費者のほうが、心理的に弱い立場になります。
だから、見ているだけのときに声をかけられると、ちょっと堂々としていられない心理が働く。
でも、その店で買い物をした後は「もう私はお客さま」という、店員さんより心理的な立場が上になるのです。
そんなときに、レジから出てきて出口まで送るという行為は、せっかく消費意欲が高まっている人を、追い出すような行為じゃないですか。

会計が終わり、レジで商品をお渡しして

「新作は色が明るい夏物がたくさんん入ったので、ゆっくり店内を見ていってくださいね」
「今年のセールはいつもより早いので、いい商品がたくさんありますから、ごゆっくりしていってください」

などと店内を見てもらったほうが、絶対に消費単価が上がるのです。
それに店を、より好きになってもらえるはずなんです。
長い時間店内にいるのですから。

これを聞いて、納得しました。
さすが長いこと小売店をやっていた経験者だなって思った。

ボクは自分の服は自分で買います。
だから、店でこういう経験は何度もしている。

買った後が、実は一番大切な時間なのです。
そこで店内をゆっくりと見て回る。
そうすると、今まで目に入らなかった商品に出会えるかもしれない。
わざわざ、追い出すようなことはしないほうがいいですよね。

店舗の滞在時間と消費金額は正比例している

「滞在時間と消費金額は正比例する」

というマーケティングの法則があります。
これは信じていいことです。
長い間店に滞在してもらうことって、売上に寄与するのです。

さらに店内の「滞在時間」を長くするというコンセプトで売り場を楽しくしたら、確実に個性のある、楽しい店になると思う。

楽しいPOPをつけるとか、わかりやすい商品展示をするとか(VMDです)。
思わぬ商品の出会いの演出をするとか。
そうすることで、確実にお客さまの滞在時間は長くなります。
長くお店にいてもらえると「関係性」という観点から見ても素晴らしいこと。
それをわざわざ、見送るなんていうことをしている店は、他の店がやっていることを単に横並びでやっているだけのように思えます。

業界の常識に縛られないようにしましょう。
それはおもてなしではなく、逆効果なんだって自覚しましょう。

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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