
「ちゃんと伝わるもの」をつくるには 「ちゃんと感じられる自分」でいることが大事
北海道のリゾートホテルのラウンジで、パソコンを開いた。新緑が、窓の外いっぱいに広がっている。芝生の上には、芝桜のピンクがにじむように咲いていて、その向こうには、やわらかな光をまとった森。仕事をしに来たんだけど、この空間は、なんだか「働く」って言葉とは少しちがう。香り高いコーヒーが、そっと湯気をたてている。静かに流れるBGMが、頭の中の雑音をすっと拭ってくれる。スタッフさんの立ち振る舞いにも、無理がない。すべてが、ちょうどいい距離感で、そこにある。人間って、環境にすごく影響されると思う。いつものデスクだと進まないことも、ここだとするすると言葉が出てくる。頭の中の引き出しが、ひとつずつやわらかく開いていく感じ。「ちゃんと伝わるもの」をつくるには、「ちゃんと感じられる自分」でいることが大事なんだな。