エクスマ思考

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ビジネスとアート思考:【第6話】子どもの落書きに還るまでに、80年かかった天才

子どもの頃、釧路の自宅にあった父のアトリエで、たくさんの画集をパラパラとめくるのが好きでした。名だたる巨匠たちの作品が並ぶ中で、小学生の僕の目を釘付けにしたのが、パブロ・ピカソの画集。横顔なのに目が正面を向いていたり、鼻が変な方向へ曲がっていたり、体が積み木のようにバラバラに解体されていたりする不思議な絵。それを見たとき、小学生の僕は無邪気にこう思ったのです。「……あれ? これなら、僕でも描けるんじゃない?」
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ビジネスとアート思考:【第5話】タヒチへ逃げた銀行員が、本当に描きたかったもの

もし、あなたが誰もが羨むような安定したキャリアと収入を手に入れていたとしたら、それをすべて投げ捨てて、先の見えない夢に飛び込むことができるでしょうか。19世紀後半のパリ。まさにその決断を下し、人生をまるごとひっくり返してしまった男がいました。ポール・ゴーギャンです。実は、ゴーギャンは最初から画家だったわけではありません。彼はパリの証券取引所で働く、非常に優秀な株式仲買人(今でいう金融エリートのバンカー)でした。高給を稼ぎ、美しい妻と5人の子どもに恵まれ、ブルジョワ階層としての豊かで何不自由ない暮らしを送っていたのです。日曜日に趣味で絵筆を握り、印象派の絵画を買い集める「裕福なコレクター兼アマチュア画家」。それが30代半ばまでの彼の姿でした。
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ビジネスとアート思考:【第4話】絵の具チューブからそのまま叩きつけた、ゴッホの熱量

若い頃、僕はニューヨークで暮らしていた時期があります。休日に足を運んだニューヨーク近代美術館(MoMA)で、忘れられない出逢いがありました。子どもの頃、釧路にあった父のアトリエで画集を開いては、ずっと憧れの眼差しで見つめていたあの絵――フィンセント・ファン・ゴッホの『星月夜』。その「本物」が、目の前の壁に掛かっていたのです。作品の前に立った瞬間、息をのみました。印刷された画集のページでは絶対にわからなかった、圧倒的な「絵の具の厚みと生々しさ」。
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ビジネスとアート思考:【第3話】リンゴを転がして何十回も描き直した、ある男の執念

油絵の具とテレピン油の独特な匂いが立ち込める部屋で、棚から分厚い画集を引っ張り出してめくっていた日のことを、今でもよく覚えています。僕の父親は、平日は会社員として働きながら、週末は絵筆を握る画家でした。北海道の釧路で「釧路美術協会」の立ち上げメンバーに名を連ねるほど、情熱を注いで絵を描いていた人です。(定年退職後は本物の画家になった)家には父のアトリエがあり、子どもの頃の僕にとって、そこは日常のすぐ隣にある不思議な別世界でした。中学生になったある日、そのアトリエでたまたま開いたのが、ポール・セザンヌの画集でした。名画と呼ばれるその絵を前にして、思春期の僕は心底首をかしげてしまったのです。
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ビジネスとアート思考:【第2話】アトリエを飛び出した画家たちが、光を掴めた理由

19世紀半ば、絵画の世界にとてつもない激震が走りました。「写真機(カメラ)」の実用化です。それまでの画家たちにとって最大の価値であり、誇りだったのは「目の前にある現実を、写真のように寸分違わずキャンバスへ写し取ること」でした。王侯貴族の肖像画、歴史的な戦闘の記録、壮大な建築物。何ヶ月もアトリエに籠もり、神業のような筆づかいで対象をリアルに再現することこそが、画家の存在理由であり「正解」だったのです。ところが、そこに突如としてカメラが現れました。レンズを向けてシャッターを切れば、どれほど熟練した画家が何日もかけるデッサンよりも正確に、一瞬で輪郭を記録してしまう。
アート思考

ビジネスとアート思考:【第1話】既製品をひっくり返した作品から、ビジネスの原点に迫る

1917年のニューヨーク。ある美術展の会場に、前代未聞の「作品」が持ち込まれました。木箱から取り出されたのは、白く光る陶器。どこからどう見ても、街の衛生器具店で普通に売られている男性用の小便器でした。しかも、作者本人の名前すら書かれていない。表面には「R. MUTT 1917」という偽名のサインが、黒いペンキで殴り書きされているだけ。タイトルは『泉(Fountain)』。
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【金曜の夜に】AI時代に必要な「窓」について考えてみた。

ふと「窓」について考えてみました。建物には壁があります。壁があるから、雨や風を防げる。安心して暮らせる。でも、壁だけの建物には住みたくないですよね。だから、窓をつくる。窓というのは、不思議です。せっかく頑丈に作った壁をわざわざ欠いて、外が見えるようにする。効率や頑丈さだけを考えれば、少し矛盾しています。でも、その余白があるから光が入り、外の風景が見え、風が通り、季節の移ろいを感じられる。これって、仕事やビジネスもまったく同じだと思うんです。
AI活用

AIが普及すればするほど、SNSの重要性がますます高まる

「AIが普及すればするほど、SNSの重要性がますます高まる」なぜなら、AIを使えば、誰もがある程度の文章や画像、マーケティングの構成をあっという間に作れるようになる。効率化は誰でもできる時代になった。でも、考えてみて。AIが作った「綺麗で平均点な発信」がネット上に溢れかえったら、お客さまは何を基準に選ぶでしょうか?スペックや当たり障りのない言葉は、あっという間にスルーされる。届くのは、「発信している人の体温」であり「その人らしさ(個)」。
SNSマーケティング

AIが予約する時代、旅行会社には何が残るのか。JTB「OPEN FRONTIER 2035」

これからAIエージェントが進化すると、旅行の手配はますます簡単になります。「10月に北海道へ行きたい。自然の中でゆっくり過ごしたい。予算は二人で20万円くらい」そう伝えれば、AIが航空券を探し、ホテルを比較し、移動時間を計算し、好みに合いそうな飲食店まで組み合わせてくれるでしょう。予約や決済まで、人間に代わって進めてくれるようになる。条件を比較し、最適な組み合わせを探すことは、AIが得意な仕事。そうなると、旅行会社や観光業の人間は必要なくなるのでしょうか。
エクスマ思考

マンションの防災訓練で感じた「備える」ということ。

「人は知らないことには不安を抱くけれど、一度でも体験して知っておけば、いざというときに落ち着いて動ける」ということ。消火器だって、触ったことがなければ「本当に使えるだろうか」と怖くなります。でも、訓練で実際にピンを抜いてホースを握ってみると、「なんだ、こういう仕組みなのか」と身体で理解できる。VRで大地震の体験をすると、キッチンの床などに、割れた食器が散らばり、家の中でも、スニーカーなんかも準備していた方がいいな、と再確認したり、「知っている」「一度体験している」というだけで、心の余裕がまるで違うんだな。