今見ておくべき映画『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

なぜ今この映画を見るべきなのか?

映画を見ると知識や教養が深まる。
僕はいつも塾生さんにそう言っています。

これからの大激変の時代、ビジネスも人生も「教養」がなければ仕合わせになれないと思うから。

教養っていうのはいかに他の人に目を向けられるかってこと。
そして多様性を認める心の広さを持つこと。

「共感力」が一つのキーワードになります。
映画や演劇や小説は、時間も空間も超え、生きられない他者の人生を生きることができるのです。
「共感力」を養ってくれる。

そして今、ロシアがウクライナを侵略し、戦争が起きています。
こんな時期だからこそ、この実話の映画を見てもらいたいと思うのです。

そして、こんな歴史があったのかと驚き、今の自由世界がいかに素晴らしいことなのか。
いかに恵まれていることなのかを感じること。
そして、ロシアがその自由世界を暴力で破壊しようとしていることを認識してほしいと思うのです。

『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』

映画の舞台は1933年。
第一次世界大戦が終わり、第二次世界大戦に向かう時代。
「世界大恐慌」の真っ最中です。
ヨーロッパではヒトラーが台頭してきて、きな臭くなっている。

主人公は英国首相ロイド・ジョージの外交顧問を務める記者、ガレス・ジョーンズ。
かつてアドルフ・ヒトラーへのインタビューを成功させたことで知られる彼は、当時のソ連の異常な羽振りの良さをスターリン自身から聞き出そうと単身モスクワに乗り込みます。
そこでさまざまな疑惑を持ちます。
取材活動をしていくうちに恐ろしい妨害にあったり、友人の記者が殺されたりする。
殺された友人の記者はウクライナに行こうとしていた。
取材をすること、真実を伝えることが命がけ。
彼は単身、ウクライナに向かう。
そこで見た光景は・・・
これ以上書くと、ネタバレしそうなので書きませんが、驚愕の体験をするわけです。

<公式の予告編>

映画に登場する人たちは 実在した人たち

■ガレス・ジョーンズ
イギリス人でロシア語を流暢に話す。
ナチスのホロコーストと並ぶ世紀の大虐殺と言われるソ連支配下のウクライナで起こっていた人為的な大飢饉(ホロドモール)を世界中に知らしめた功労者。

■ウォルター・デュランティ
イギリス人。ニューヨークタイムスのモスクワ特派員。
ソ連に20年以上滞在して世界にソ連の素晴らしさを伝え、ピューリッツアー賞を受賞。

■ジョージ・オーウェル
覇権主義的なディストピアの世界を描いた近代文学の傑作『1984年』の作者。
ジョーンズとの出会いがソ連を痛烈に風刺した傑作『動物農場』を書くきっかけになった。

■ロイド・ジョージ
英国首相を務めた政治家。

■ウイリアム・R・ハースト
アメリカの新聞王。映画『市民ケーン』のモデルになった大富豪。

時代背景と世界情勢を知っておくともっと面白く見られる

第一次世界大戦が終わり(1918年)、アメリカでは経済がめざましく発展する。
しかしその後、突然アメリカで次々とお金が消えていく謎の大不況『世界恐慌』が起きる(1929年)。
1917年の革命で成立したソビエト連邦は、世界恐慌の影響も受けず、計画経済、集団農場など理想的な社会だと世界中から思われている。
第一次世界大戦の敗戦国ドイツでは、あり得ないほどの賠償金を課せられ、それに不満を持った民衆がナチスを選び、ヒトラーが台頭してくる。
ヨーロッパ各国は第一次世界大戦と大恐慌によって経済的に疲弊していて、ヒトラーが危険だなって思っているけど、外交より国内が大変なので、手が回らない状態。
この映画の時代はそんな1933年。
ヒトラーがポーランドの侵攻するのが1939年なので、まさに第二次世界大戦の前夜のような時代。

映画としても1級の作品

この映画は人によっては好きじゃないかもしれない。
わかりにくい、派手じゃない、暗い、悲惨・・・

わかりやすくて、エンターテインメント性がたっぷりの明るい映画も面白けど、社会性のある、深く考えることができる映画をもっと見てほしいって思う。

シナリオ、撮影、編集、かなり映画としても見応えがあります。

ジョージ・オーウェルを登場させることで、無闇にドキュメンタリータッチにならないように、寓意性を持たせるシナリオ。
それが余計に恐ろしくなる。

主人公がウクライナにいる時の映像は無彩色な中に、パートカラーのように印象的なものを象徴させている。
悲惨なんだけど美しい。
特に子供たちが雪の中で歌うシーンは秀逸。
美しい天使の声のようなコーラス。
でもね、それがとても恐ろしいのです。

映画のキャッチコピー

皆、うほどにえている

飢えというのは、人間性を失くし、人間性を失くしてまでも生きなければならない悲しさ。
天使のような子どもたちが生きるために悪魔のようになる。

これは昔の話ではなく、今起きていることなのです。
世界は自由を暴力で奪われようとしている。
ロシアだけでなく、まだまだ世界にはそういう状況に存在している人がいる。

平和な日本だからこそ、今、この映画を見ることが必要なんだと思う。
僕たち一人ひとりは無力だけど、それでも伝えることです。
伝え続けることが、世界が自由で平和になることにつながる。
そう信じています。

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北海道釧路生まれ。明治大学卒。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。経営者、ビジネスリーダー向けに「エクスマ塾」を実施、塾生はすでに1000名を超えている。著書は、海外にも翻訳され30冊以上出版。座右の銘「遊ばざるもの、働くべからず」
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